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◆老齢基礎年金 ◆老齢厚生年金 ◆在職老齢年金と賃金 ◆障害基礎年金 ◆障害厚生年金◆遺族基礎年金  ◆遺族厚生年金 ◆退職共済年金

遺族厚生年金は被保険者死亡のほかに被保険者期間中の初診のある傷病で5年以内の死亡の場合や、障害厚生年金1・2級の受給権者、老齢厚生年金の受給権者と受給資格を満たしている人が死亡したとき、生計維持されていた遺族に遺族厚生年金が支給されます。
 遺族の範囲は 配偶者・子・父母・孫・祖父母ですが、夫・子・父母・孫・祖父母は、一定の年齢要件があります。

<支給要件>

●短期要件
(1) 被保険者が死亡したとき
(2) 被保険者であった者が資格喪失後に、被保険者期間中に初診日のある傷病によって初診日から5年以内に死亡したとき。例えば病気退職のケースで初診日から5年以内。
(3) 障害等級1級または2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したとき。

●長期要件
(4) 老齢厚生年金の受給権者または老齢厚生年金の受給資格期間を満たしているものが死亡したとき。

<質問>障害厚生年金を受けている夫が亡くなりましたが、妻の私は年金を受けられますか。→ 厚生年金保険に加入中の方や、障害厚生年金の1級または2級の年金を受けている方が亡くなられたときは、亡くなられた方に生活を支えられていた遺族に遺族厚生年金が支給されます。 3級の障害年金を受けていた場合であっても、死亡の原因が障害年金を受ける原因となった傷病のときは、遺族厚生年金が支給される場合もあります。
お近くの社会保険事務所、社会保険事務局の事務所または年金相談センターでご相談ください。

<質問>老齢の年金を受けられる加入期間を満たしている夫が、年金を受ける前に亡くなりましたが、妻の私は年金を受けられますか。→ 老齢の年金を受けられる加入期間を満たしている方が、老齢厚生年金を受ける以前に亡くなられたときは、亡くなられた方に生活を支えられていた遺族に遺族厚生年金が支給されます。

  • とにかく厚生年金に20年以上加入していれる夫なら、亡くなると妻に遺族厚生年金が支給されます。

※ (1)(2)は、保険料納付要件も満たさなければならない。
※ 短期要件と長期要件の両方に該当するときは、遺族が別段の申し出をしない限り、短期要件のみに該当し、長期要件には該当しない。

●保険料納付要件
短期要件の(1)および(2)に該当する場合は、保険料納付要件(死亡した者について、保険料納付済期間が加入期間の3分の2以上あること)が問われます。

<遺族の範囲>

被保険者または被保険者であった者の死亡当時その者によって生計を維持していた次の者

1.妻:年齢に関係なく支給→平成19年4月より30歳未満の若齢期の妻に対する遺族厚生年金は見直しされ、5年間の有期年金となります。
2.夫、父母、祖父母:死亡当時55歳以上であること(支給開始は60歳)

(注)なお、被保険者又は被保険者であった者の死亡した日が平成8年4月1日前の場合には特例があり、55歳未満であっても重い障害(障害等級の1級又は2級)の状態にあるときには年齢制限はなく、遺族厚生年金を受けることができます。

3.子、孫:
(1)18歳にに達する日以後の最初の3月31日までの間にある子
または、
(2)20歳未満の子であって障害等級の1級または2級の障害の状態にある子
かつ現に婚姻をしていないこと。

  • 遺族基礎年金の対象となる@子のある妻A子は当然遺族厚生年金の対象になります。
  • 10年以上同居した愛人の場合には遺族厚生年金が支給される場合もあります。

夫の死亡時、妻の前年の収入が850万円以上あり、それが当分続くと認められる場合は生計維持関係がないとされ、遺族厚生年金は支給されません。

受給順位
第1順位:配偶者と子 夫の場合55歳以上 妻と子の場合妻に支給、夫と子の場合は子に支給、夫は支給停止
第2順位:父母(配偶者も子もいないとき)
第3順位:孫(配偶者も子も父母もいないとき)
第4順位:祖父母(さらに孫もいないとき)

  • 遺族厚生年金の受給権は65歳の母親よりも30歳の妻に優先権があります。
  • 被保険者または被保険者だった人が再婚し、先妻の子と再婚後の妻が生計を同じくする前に死亡した場合、子が妻に優先します。

<質問>厚生年金保険に加入している夫が亡くなりましたが、妻の私は年金を受けられますか。→ 厚生年金保険に加入中の方が亡くなられたときは、亡くなられた方に生活を支えられていた遺族に遺族厚生年金が支給されます。
この遺族厚生年金を受けられる遺族は、配偶者、子供、父母、孫、祖父母です。受けられる順番も同じです。妻は年齢に関係なく遺族となりますが、子供や孫が18歳に到達した以後の最初の3月31日を過ぎていないか、20歳未満で1級または2級の障害の程度であること、夫、父母、祖父母は55歳以上であることが必要です。
この条件に該当していると思われるときは、ご主人が勤めていた会社を受け持つ社会保険事務所、社会保険事務局の事務所または年金相談センターでご相談になり、裁定請求の手続きを行ってください。

<年金額>平成22年度価格 

遺族厚生年金の額は、以下の計算式が示すように、報酬比例の年金額の4分の3に相当する額です。

なお年金額の計算は、平均標準報酬月額などを計算する必要がありますが、これは個人ではわからないといってもいいと思います。(コンピューターを使って過去の報酬額を拾って計算します。)社会保険事務所か年金相談センターに照会する必要があります。従って、遺族年金に限らず年金額の計算は最寄の社会保険事務所や年金相談センターを訪問して聴くのが手っ取り早く正確です。仕組みだけを理解しておけばいいと思います。

 年金額=(@平成15年3月までの被保険者期間分+A平成15年4月以降の被保険者期間分)×3/4×0.985

◎短期要件の計算方法

@の計算式

 平均標準報酬月額×7.125/1000×被保険者期間の月数(平成15年3月まで)

A の計算式

 平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者期間の月数(平成15年4月以降)

ただし、上記の計算によって算出した年金額が、下記の年金額の計算式による年金額を下回る場合には、下記の年金額の計算式による年金額が支給されます。(従前額保障 一般にこちらが有利でこちらが採用されえます。)

年金額=(@平成15年3月までの被保険者期間分+A平成15年4月以降の被保険者期間分)×3/4×1.031×0.985

@ の計算式: 平均標準報酬月額×7.5/1000×被保険者期間の月数(平成15年3月まで)

Aの計算式:  平均標準報酬額×5.769/1000×被保険者期間の月数(平成15年4月以降)

(注)被保険者期間が300月(25年)未満のときは、上記の計算式により算出した額に、300を被保険者期間の月数で除して得た数を乗じて、全体を300月分に増額します。

(注2)上記の計算式の平均標準報酬月額、および平均標準報酬額の計算の基礎となる再評価率は、平成6年改正の再評価率となります。

◎長期要件の計算方法 (従前額保障分のみ表示します。)

年金額=(@平成15年3月までの被保険者期間分+A平成15年4月以降の被保険者期間分)×3/4×1.031×0.988

@ の計算式: 平均標準報酬月額×(10.000〜7.5)/1000×被保険者期間の月数(平成15年3月まで)

Aの計算式:  平均標準報酬額×(7.692〜5.769)/1000×被保険者期間の月数(平成15年4月以降)

月数は実際の月数で計算する。乗率は生年月日に応じた乗数。

短期要件にも長期要件にも該当する場合で長期要件で計算した方が有利なときは、長期要件で計算するように申し出れば長期要件で計算されます。何も申し出なければ、短期要件で計算されます。

  • 年金額の改定: 遺族基礎年金・遺族厚生年金ともに、受給権者の数に増減が生じた場合は、その翌月から改定されます。


(中高齢の加算)

遺族基礎年金は、子のいない妻には支給されないため、その不均衡を是正するために中高齢加算額が支給されます。

●支給要件
夫の要件
長期要件:被保険者期間が20年以上あること
短期要件:特にない
妻の要件
遺族基礎年金の要件を満たす子がいない場合:夫の死亡当時40歳以上65歳未満であること。
遺族基礎年金の要件を満たす子がいる場合:その子の遺族厚生年金の受給権が消滅したときに40歳以上65歳未満であること。

法改正により平成19年4月より夫死亡時40歳以上の妻が、夫死亡時から65歳まで受けられるように変更になりました。すなわち夫が死んだとき妻の年齢が40歳以上というのが受給条件となります。「遺族厚生年金制度の見直し」ご参照 

中高齢寡婦加算

中高齢寡婦加算(子のいるケース)

●支給時期
子のない妻については40歳から、子のある妻については18歳に到達する年度の末日(障害者は20歳に達した日)を経過したときから、それぞれ65歳に達するまでの間加算されます。

●加算額
遺族基礎年金の額の4分の3が加算されます。(788,900円(遺族基礎年金額:平成16年改正額)×1.006(改定率:平成21年度))×3/4

従前額保障
給付額計算の経過措置(従前額保障)により、平成21年度については594,200円となっています。 ○ 計算式 (804,200円(遺族基礎年金額:平成12年改正額)×0.985(スライド率:平成21年度))×3/4
591,700円(平成23年度価額) 

  • 月額約5万円が40歳から65歳までオンします。

(経過的寡婦加算)

昭和31年4月1日以前に生まれた者は、老齢基礎年金の額が中高齢寡婦加算の加算額に満たない場合が生ずることから、65歳到達の前後における年金額の低下を防止するため、そのものについては65歳以後も一定額が経過的に加算されます。

●加算額

中高齢の寡婦加算の額−(老齢基礎年金の額×生年月日に応じた率)・・・20,000円〜594,200円

  • 594,200円の中高齢寡婦加算は65歳になると経過加算に変ります。昭和31年4月2日生れ以降の妻には経過加算はありません。

例:夫の死亡時には子のある妻で、末子が18歳年度末になり
遺族基礎年金が 打ち切られた時点で35歳以上65歳未満の妻の受給イメージ

妻35歳
 
妻40歳
 
妻65歳
 
夫死亡
 
末子18歳年度末
     

遺族基礎年金
 
老齢基礎年金
遺族厚生年金
    
なし
支給停止
中高齢寡婦加算
経過的寡婦加算
    


遺族厚生年金はいくらもらえるか(要約)

夫が受給している「報酬比例部分の年金の4分の3に相当する額」に「中高齢寡婦加算」あるいは「経過的寡婦加算」のいずれかが加算されるのが一般的なケースです。(夫の受給している定額部分はなくなります。)

ご参考 寡婦年金(国民年金)

注)なお、国民年金の第1号被保険者には、寡婦年金の給付が設けられています。

● 要件および対象者 : 第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が25年以上である夫が老齢年金等を受けずに死亡した場合で、婚姻期間が10年以上の妻に60歳から64歳までの間、支給されます。

● 年金額 : 夫が受けられたであろう老齢基礎年金額(第1号被保険者期間に係る額に限る。)の4分の3。

<失権>

遺族厚生年金の受給権は、受給権者が
(1) 死亡したとき
(2) 婚姻したとき(事実婚も含む)
(3) 直系血族及び直系姻族以外の者の養子となったとき
(4) 離縁によって親族関係が終了したとき
<子または孫の場合>
(5) 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき(障害の状態を除く)
(6) 障害の状態がやんだとき(18歳に達した日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く)
(7) 20歳に達したとき
<父母、孫又は祖父母の場合>
(8) 被保険者であった者の死亡当時胎児であった子が出生したときに消滅します。

<受給権者が妻の場合>
夫が死亡した当時30歳未満であって、同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を有していない妻(子の無い妻)であるときは、遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年間を経過したとき及び下図下段のとき

遺厚失権

遺族厚生年金を受けることができる者が55歳未満の夫、父母又は祖父母の場合の留意点 被保険者等の死亡日が平成8年3月31日以前で、55歳未満の夫、父母または祖父母が1級または2級の障害の状態を理由として遺族厚生年金を受けている場合には、1級または2級の障害の状態がやんだときに消滅します。


<支給停止>

(1) 被保険者または被保険者であった者の死亡について、労働基準法の規定による遺族補償が行われるときは、死亡日から6年間支給を停止されます。
(2)夫、父母または祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が60歳に達するまでの間、その支給が停止されます。
(3) 子に対する遺族厚生年金は、妻が遺族厚生年金の受給権を有するときは、その間、支給を停止されます。
(4) 妻に対する遺族厚生年金は、被保険者であった者の死亡について、妻に遺族基礎年金の受給権がなく、子に遺族基礎年金の受給権があるときは、その間支給を停止されます。
(5)夫に対する遺族厚生年金は、子が遺族厚生年金の受給権を有する間、支給を停止されます。
(6)遺族厚生年金の受給権者の所在が1年以上明らかでないときは、他の受給権者の申請により、その所在が明らかでなくなったときにさかのぼって支給を停止されます

◎平成19年4月より遺族厚生年金が見直されます。詳しくは遺族厚生年金制度の見直しをご参照ください。骨子は以下の通りです。

若齢期の妻に対する遺族厚生年金の見直し

@ 18歳未満の子がいない30歳未満の妻が受ける遺族厚生年金は現在、夫死亡後、生涯受けられます。制度見直し後は、夫死亡後5年間の有期年金となります。

A 中高齢の寡婦に対しても保障がなされていましたが(中高齢の寡婦加算といいます。)、これの見直しがされます。すなわち夫死亡時35歳以上の妻が、40歳から65歳まで受けられましたが、見直し後は、夫死亡時40歳以上の妻が、夫死亡時から65歳まで受けられることになります。

高齢期(65歳以上)の遺族配偶者に対する遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給の見直し

 自分自身が納めた保険料が給付に確実に反映される仕組みとしました。

 

以上

 

 

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